静けさと冷たさが支配する暗闇に、異質の光を纏った影が2つ
今日も、俺達は任務をこなす

漆黒の闇に栄える真っ赤なソレを、迷いもなく撒き散らす
一瞬の隙、一瞬の時さえも与えない

声も・・・
音も・・・
何もかもが無の状態で、全てを終わらせる

それは、俺達が教わった唯一の事

生きていく為に・・・

生き残る為に・・・

教えられた、最大の武器



「任務完了」
「あぁ、帰るぞ」



汚れた塊を青き炎で燃やし、そこには何もなかったような光景
そして、残るのは決して消える事のない血の臭い

何度水を浴びても
肌が赤くなり、皮が剥け、血が出る程洗い流しても

それでも、染み付いた血の臭いは消す事が出来ない




「火影様、只今戻りました」
「うむ」



いつもの様に報告を済ませて、俺は自宅には戻らずにそのままパートナーの家に行く
それは、俺達の間で暗黙の了解になってる












俺はずっと1人だった
物心つくまでは火影のじっちゃんの家で、暗い部屋にずっと1人で居た
自分が何故、外に出る事を許されないのか
そんな疑問を持つ頃は、自然と理由も解ってた



腹の中にいる九尾



この里の連中は、俺を憎み嫌っているから
だから、火影のじっちゃんは俺を守る為に閉じ込めた



そして、生き残る為に教えられた力



最初で最後



俺に与えられた人間の女







それが ――――― ・・・だった


















「あぅ・・っ・・・んんっ・・、やぁ・・・っ・・・ひゃっ・・!!」
「・・っ・・・!」



目の前に、快楽の闇に堕ちた
いつも冷酷な言葉を、人を精神的に追い詰める言葉を吐く口が
この時だけは、甘く痺れた吐息を吐く













「ほら・・・しっかりやれよ・・・ッ・・」
「ふぅ・・・んっ・・・、うっ・・・・はっ・・・・」



人を簡単に死に導き
肉を斬り、真っ赤な血で染まった手が
この時だけは、俺を絶頂へと導いてくれる
鋭く相手の急を狙うその手が、今だけは俺のモノを嬉しそうに弄る













「もっ・・・無理・・・っ・・・ぁあっ!・・・ナ・・・っル・・ト・・」
「んっ・・・何?・・・もう限界?」
「やッ・・・ぅん・・・っ・・、ふぅ、ん・・・・やぁ!」
「嫌じゃねぇだろ・・・・っ・・・」



すぐに吹っ飛ぶ理性
口から途絶える事な綴られる、甘く切ない吐息
俺の欲望を、全身で受け止めてくれる
激しく打ち付ければ、もっともっと・・・・・、と快感を望んで動く腰
その腰を引き寄せ、もっともっと・・・奥へと



の全てに欲情し
一つ一つの仕草に限界を覚える




















「・・・・・・」



気を失ったを横目に、俺の為にわざわざベットサイドに置いてある煙草に手を伸ばす
自分は吸わないくせに、いつもベットサイドとリビングには灰皿と俺愛用の煙草が置いてある
ゆっくり深く灰に吸い込めば、何とも言えない苦しさが胸に広がる
吐き出した、白い濁った煙が、暗闇の中では自棄に栄える



「今日は・・・満月か」



朝日が昇れば、俺はいつものドベのナルトになる
元気で、阿呆で、活発で、ドジで、我侭で・・・・上げたらきりのない性格
自分でも、毎日良くやると思う



「・・・ぅん・・・・」



隣で小さなくぐもった声
目だけそっちに向ければ、背中を向けていたが寝返りを打った



「・・・ナ・・ルト・・?」



その声には答えずに、上半身を倒して触れるだけのキスを
これも、いつも通りの事
くすぐったそうに微笑みを浮かべて身をよじるに、吐き出した筈の欲望が疼く



「無理、させたな」
「ん・・・大丈夫だよ」



手をついて上半身だけ起き上がらせたに、スッと身体を滑り込ませる
後ろから抱えるうにして、露になっている白い方に顔を埋めた
片手で煙草を揉み消して、何も身につけていない細い腰へ滑らす



「ナルト・・・」
「・・・・・・」
「大丈夫・・・あたしは、ココに居るよ?」



巻きつけた俺の腕に、そっと手を添えて
囁くように言うに、毎回俺は泣きそうになる



いや、実際は泣いてたのかも知れない




行為の後、は必ずこの言葉を俺にくれる
長く一緒に居るには、いくら暗部の裏で動いてる俺でも嘘はつけない
それは、が俺に対しても同じ事



・・・・」
「大丈夫・・・あたしは、ナルトの側に居るよ」
「・・・・行くな・・・何処にも、行くなよ」
「行かない。あたしは、ナルトの側に居る事が・・・・・幸せだから」
「・・・っ・・・俺の、側に居て・・・」
「うん・・・、うん・・・、側に・・・、居るよ」



この温もりを失いたくない
この暖かさを失いたくない


この手を、離したくない・・・んだよっ




「俺を・・・・捨て、ないで・・・・・?」
「捨てない・・・・。ナルトがあたしの事が要らなくなるまで、あたしはナルトの側に居るよ?」



俺がを要らなくなるなんて有り得ない
もう、俺にはだけしかいない
しか、俺は要らない

他の物は、何一ついらない







だから、を俺から奪わないで・・・・・・

(ひとつだけでいい)

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(あの環境でナルトが真っ直ぐに育った事が疑問で仕方ない)